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2×4工法とは?メリット・デメリットをご紹介

2x4工法

2インチ×4インチ寸法の木材を指す「ツーバイフォー」という言葉は、日本でもかなり浸透しており、聞いたこともあるかと思います。
木造の注文住宅を建てる方法の一つに、これを用いた「2×4工法」というものがあることは、ご存知でしたでしょうか。木造住宅の代表的な建て方の一つで、前回の記事で紹介した「木造軸組工法(在来工法)」とよく並んで紹介されます。
ここでは、北米からその技術が日本に持ち込まれた「木造枠組壁工法=2×4工法」について詳しく取り上げて、ご説明します。
共にメリットもデメリットもあるそれぞれの工法について理解することで、正しく比較ができるようになります。理想の注文住宅を建てるために、しっかりと知識を持っておきましょう。

コンテンツ

  1. 2×4工法とは
  2. 在来工法との違い
  3. 2×4工法のメリット・デメリット
  4. まとめ

2×4工法とは

その名のとおり、2×4の角材をベースにして住宅をつくる方法です。
この統一サイズの木材を使って枠をつくり、そこに構造用の合板を打ちつけて、パネルを形成します。このパネルを6面に使って作られる「箱」を基準として、横につなげる・上に積み上げる・中を仕切る・窓を開けるなどして、住宅を作り上げていきます。
木造軸組工法(在来工法)が、柱や梁などの線で支える構造であるのに対し、こちらは面=壁で支える構造であるため、「木造枠組壁工法」とも呼ばれます。
北米の木造住宅の90%がこの工法で作られているとも言われており、世界的にもメジャーで実績の多い工法といえるでしょう。
一つ一つのパネルがそれぞれ耐力壁の役割を果たすため、比較的容易に高い耐震性を実現することができます。

在来工法との違い

木造住宅の、もう一つの代表的な工法に「「木造軸組工法(在来工法)」があります。
同じ木造住宅の建て方でありながら対照的な両者はよく比較されますので、平行してこちらの記事もチェックしておくと良いでしょう。

2×4工法のメリット・デメリット

在来工法と同じように、2×4工法にもメリットとデメリットがあります。詳しく見ていきましょう。

メリット

耐震性・耐風性が高い

面で構成することにより、建物全体の強度が高くなります。 それぞれの面が、在来工法に於ける耐力壁の役割を果たすため、耐震性が高く、同様に台風などの強い風に対しても高い耐久性を発揮します。

気密性・断熱性・耐火性が高い

面をつなぎ合わせることで、在来工法と比較して隙間が生まれにくくなるため、気密性が高まります。このため、断熱性も向上して冷暖房効率のアップが期待できる他、耐火性も上がるため、火災保険の費用が軽減されるケースもあります。

工期が短い

統一規格の部材を多く使用するなどシステム化されているため、現場での作業量が削減され、短い工期で家を建てることができます。
工期が短ければ、それだけ人件費の削減につながるため、建築費用のカットも期待できるでしょう。在来工法に比べて、早期の入居も可能です。

品質が安定しやすい

システム化により、熟練の職人の腕がなくても工事ができるため、完成度にバラつきが少なく、安定した品質を期待することができます。以前に紹介したプレハブ構造と似た特徴です。

デメリット

間取りの自由度が低い

規格化された箱を基準にして組み立てるため、どうしても間取り設計の自由度は下がってしまいます。高い自由度が長所であった在来工法と比較したとき、木造の注文住宅を検討する上では最大の違いであるといえるでしょう。
間取りに強いこだわりを持っている場合は、それほどおすすめできない工法ということになります。

リフォームが難しい

柱ではなく壁で全体を支えているため、壁を抜いて部屋をつなげる等のリフォーム工事は難しいといえます。また、日本では対応していないリフォーム業者もあるため、在来工法と比べると選択肢が減ってしまうことも挙げられます。

開口部を大きく取ることができない

上記と同様に、壁を抜くことが難しいという理由から、開口部を広く取るような構造は苦手です。開放感、吹き抜け、広い窓、などを優先して考えている方には、在来工法のほうがマッチしているといえるでしょう。

まとめ

在来工法と並ぶ代表的な木造住宅の工法である「2×4工法」についてご紹介しました。
規格化された木材を用いる工法で、高い耐震性や短い工期、安定した品質を特徴としています。一方で、注文住宅にとって重要な間取り設計の自由度が低い、開口部を広く取りづらいなどのデメリットがあります。
求める住宅の条件によって、最適な工法は異なります。それぞれを正しく理解し、理想を実現しましょう。